総評

つづる思い出、伝わる熱意

 学校での日々は、児童生徒の未来を支え続けるもの
であってほしい。大人になって振り返ってみれば、友
達と過ごしたいくつもの時間が、特別なものだったこ
とに気付く。同じだと思っている日々の積み重ねが、
やがて一人一人違う思い出になる。そんな日常があふ
れる広報紙だからこそ、製作にも熱が入る。
 児童生徒と指導する教師だけで、学校生活が形作ら
れているわけではない。家族、地域の方、教職員など、
多くの人々の思いに支えられている。どんどん上書き
されて行っても、行事や出来事がなかったわけではな
い。何ができたかではなく、どう取り組んだかに価値
がある。児童生徒は、すぐに大きくなったわけではな
い。間違ったり行き詰まったりしながら、掛かった時
間にも意味がある。応募された広報紙からは、そんな
日々を紙面にしようと、テーマに悩み、限られた時間
で取材や調査を行い、記事や写真の選定や配置に苦心
しながら作成された、みなさんの工夫と努力が伝わっ
てくる。
 人は助け合うことで、豊かに生きることができるの
だと思う。かつて学校で同じ時間を過ごし、互いを思
いやった日々の記憶が思い出となる。それぞれの広報
紙の1ページは、大人になった児童生徒の明日を支え
ることだろう。

       岡山大教師教育開発センター教授
                 山ア 光洋